「史上最高の強硬措置」(9月21日付の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長声明)を訴えていた北朝鮮が11月29日未明、弾道ミサイルを発射した。日本列島を越えない範囲での発射は、米軍による先制攻撃や迎撃などを極度に警戒した結果とみられる。同時に国際社会の制裁に屈しない姿勢も改めて明確にした。
特集:北朝鮮のミサイル問題
ミサイルは午前3時17分ごろに北朝鮮西部から発射され、約1時間近く飛行した後に日本海に落下した。韓国軍によれば、最高高度4500キロ、飛行距離約960キロだった。角度を上げて飛距離を縮めるロフテッド軌道を取った結果で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)14」か改良型の可能性が高い。
北朝鮮が9月15日に発射した中距離弾道ミサイル「火星12」は約3700キロを飛行。北朝鮮から約3400キロ離れたグアムを攻撃できる能力を示した。今回は、北朝鮮から約6千キロ以上離れたハワイや、約1万キロ以上離れた米西海岸などを攻撃できる能力を示そうとしたとみられる。
一方、正恩氏が声明で言及した…