28日、大陸間弾道ミサイル「火星15」型の発射を承認するため、朝鮮労働党軍需工業部の報告書に署名する金正恩氏。朝鮮中央通信が伝えた=朝鮮通信
北朝鮮は29日午前3時18分ごろ、平安南道平城(ピョンアンナムドピョンソン)から弾道ミサイル1発を発射した。新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」としており、53分後に青森県西方約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下。首都ワシントンを含む米本土を攻撃できる核弾頭搭載が可能なICBMだと主張した。これに対し、トランプ米大統領は北朝鮮に対する「大規模な追加制裁」を29日(米東部時間)に科すことを明らかにした。
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北朝鮮の朝鮮中央テレビは「重大報道」として、現地を視察した金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が「核武力完成の歴史的大業を果たした」と語ったと伝えたが、技術的に完成したか不明な点もある。核とミサイルによる挑発の停止も明言しておらず、引き続き挑発を続ける可能性が高い。
火星15は最高高度が過去最も高い約4500キロで、約950キロを飛行。軍事専門家らは通常角度の発射なら、射程は米全土に届く1万3千キロ以上に達するとみる。韓国軍はICBM「火星14」(射程約1万3千キロ)の改良型だと発表した。朝鮮中央通信は29日、大気圏再突入技術を実証し、発射には片側9輪の移動発射台を使ったとした。過去使った移動発射台は火星14の際の片側8輪が最大規模だった。
平城から弾道ミサイルが発射されたのは初めて。韓国の軍事専門家によれば、平壌から北に約30キロ離れ、付近にはミサイル工場がある。この専門家は「米軍の先制攻撃を恐れ、発射直前まで機体を隠したかったのではないか」と語った。
北朝鮮は通常、観測が容易で、…