名城非常口の工事現場。重機に大林組のロゴが入っていた=10日午前11時50分、名古屋市中区
JR東海が発注したリニア新幹線の建設を巡り、不正な受注があったとされる事件で、東京地検特捜部が、受注元のゼネコン大手・大林組の土木担当副社長から任意で事情聴取をしていたことがわかった。特捜部は大林組を偽計業務妨害の疑いで捜索しており、受注に至った経緯などを聴いたとみられる。
関係者によると、大林組は16年4月、戸田建設(東京)、ジェイアール東海建設(名古屋市)と共同事業体(JV)を組み、名古屋市街地のリニア工事用の非常口新設工事を、不正な方法で受注した疑いが持たれている。
この工事の発注先は、価格を含んだ工事計画の1次提案を業者側から受け、内容を総合評価した上で、2度目の提案を受ける順位を決めた後、順位の高い業者と優先交渉をする仕組み。
特捜部は今回、民間業者による工事発注で不正な受注をした場合などに適用される偽計業務妨害の疑いで大林組を捜索。同社副社長らへの聴取などで、受注の背景解明を目指している。