東京都江東区の富岡八幡宮の宮司、富岡長子(ながこ)さん(58)が弟の富岡茂永(しげなが)容疑者(56)=死亡=に殺害されたとされる事件で、現場近くのマンションの一室から殺害を予告するような手紙や日本刀など複数の刃物が見つかった。警視庁が12日、明らかにした。事件の約1時間前、マンションから茂永容疑者と妻の真里子容疑者(49)=死亡=が出て行く姿も確認されており、警視庁は両容疑者が拠点にしていたとみている。
捜査1課によると、現場の東約30メートルにあるマンション5階の部屋から、真里子容疑者名で「私富岡真里子は積年の恨みから富岡長子を殺害することといたしました」「殺害後は責任をとり自害するつもりでありますが、恐怖のあまり1人で自害できない場合は夫である富岡茂永にその幇助(ほうじょ)を依頼しております」などと記された手紙が見つかった。12月1日付で、宛先は「警察並びに報道関係者様」となっていた。手紙はかもいにテープで貼り付けられていた。
室内からは日本刀(刃渡り66センチ)、マグロの解体などに使われる包丁(同80センチ)、サバイバルナイフ(同30センチ)、双眼鏡も見つかった。この部屋からは現場周辺の道路を見渡すことができるという。6月30日に賃貸契約が結ばれていた。事件当日の7日、両容疑者がこのマンションを午後7時半に出て行く姿が防犯カメラで確認されたという。富岡さんはこの約1時間後に襲われた。