名城非常口新設工事の概要
JR東海が発注したリニア中央新幹線の土木工事を巡り、ゼネコン大手・大林組(東京)が不正な受注をしたとされる事件で、同社が受注できるよう東京本社の営業担当部長が、競合した鹿島(東京)の担当部長に協力を依頼していたことが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部は、大林組の土木担当副社長とこの担当部長、鹿島側の担当部長から、受注の経緯について任意で事情聴取している。
関係者によると、両社とも特捜部に対し、受注調整を否定しているという。
特捜部は今月8日、大林組が2016年4月に戸田建設(東京)、ジェイアール東海建設(名古屋市)と共同事業体(JV)を組み、事業費約90億円に上る名古屋市街地のリニア工事用「名城非常口新設工事」を不正に受注したとして、偽計業務妨害容疑で大林組本社を捜索した。
JR東海は、この工事の発注で、受注希望の業者側から応募があった価格込みの提案を総合評価し、「2次審査」に進む順位を決定。その後、2次審査で、JV側との個別協議を経て決まったとしている。
関係者によると、公募には大林組を中心としたJVのほか、鹿島中心のJVも参加した。大林組の営業担当部長が1次審査への応募前から、面識があった鹿島の担当部長に強い受注希望を伝達。両社とも2次審査に進んだが、最終的に大林組が受注したという。
JR東海が発注した22件のリ…