補助金を受給した企業からの寄付(敬称略)
国の補助金を受給した企業から政治団体へ違法献金のおそれがある寄付が次々と見つかっている。新たに見つかったのは観光庁や農林水産省から補助金を受けた企業からの寄付で、茂木敏充経済再生相ら元職を含む7人の国会議員が代表を務める政党支部が受け取っていた。いずれも返金済みか返還の意向を示している。
補助金受給8社、8政治団体に献金 違法の恐れ指摘後
政治資金規正法は、企業や団体が国から補助金の交付決定通知を受けてから1年以内の政治献金を禁じている。この規定には例外があり、省庁が違法性を判断して企業側に通知している。2016年の政治資金収支報告書で、これまでに7人の国会議員が代表を務める政党支部と自民党の政治資金団体「国民政治協会」が、農水省から補助金を受けた企業から違法のおそれがある寄付を受け取っていたことが判明している。
新たに見つかったのは、観光庁のインバウンド対策に絡む補助金を受けた企業からの寄付で、茂木氏(自民)のほか、参院議員の山本一太氏(同)、前衆院議員の金子一義氏(同)ら5人の政党支部が受け取っていた。また、農水省の補助金を受けた企業から、3人の自民の国会議員の政党支部が受け取っていた。いずれの補助金も、観光庁や農水省が規正法の規定の例外には当たらないおそれがあると判断していた。
茂木氏や山本氏の事務所は「寄付を受け取った当時、補助金受給の事実は知らなかった」などとしている。(小林太一、末崎毅)