陸上自衛隊の輸送防護車(右奥)で避難してきた邦人役の人たち。「出国手続きをするので防弾チョッキとヘルメットを脱ぐように」と隊員(左)が伝えた=13日午後、埼玉県狭山市の航空自衛隊入間基地
北朝鮮の核・ミサイル問題で緊張が続く中、外国での緊急時に邦人を集めて逃がすための自衛隊と外務省による訓練が13日、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)で報道公開された。舞台はある外国。在外公館の呼びかけで一次集合場所に来た邦人を自衛隊の車で運び、飛行機で出国させるまでの手順を確かめた。
一次集合場所が暴徒に囲まれたり、車がバリケードに阻まれたりした場合の訓練を相馬原演習場(群馬県榛東村)でした上で、邦人役十数人を乗せた陸自の輸送防護車2台が入間基地に到着。格納庫を使い、出国手続きやボディーチェックをした。他の場所からの避難者とあわせ約50人が、ライフルを持つ隊員に守られながらC130輸送機やCH47ヘリに乗り込んだ。
在外邦人の緊急時の避難では、2013年のアルジェリア人質事件を受けた自衛隊法改正で自衛隊による陸上輸送が可能になった。さらに安全保障法制で「邦人保護」の際の武器使用が緩和された。
自衛隊は他国軍との演習も生かして邦人保護訓練を昨年から国内外で重ねており、今回で4回目になる。(藤田直央)