大阪府豊中市で登校中の小学生の列に車で突っ込み6人に重軽傷を負わせたとして危険運転致傷と過失運転致傷の罪に問われ、大阪地裁で無罪判決を受けた会社員、中村恵美被告(52)の控訴審判決が14日、大阪高裁であった。増田耕児裁判長は一審判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。
中村被告は2015年5月、睡眠導入剤を夜に服用し、翌朝、薬物の影響で運転に支障が生じるおそれがあると知りながら運転し事故を起こしたとして危険運転致傷罪などに問われた。
地裁は直前まで相当の交通量の中、右左折をしていたと指摘。睡眠導入剤の影響も「個人差が大きく判定は困難」として危険、過失運転致傷の罪のいずれの成立も認めなかった。
検察側は控訴審で、眠気があったのに運転を続けた過失運転致傷罪は少なくとも成立すると主張。しかし高裁は「前方注視が困難な眠気があったとは認定できない」と退けた。一方で「検察官が訴因を適切に設定すれば被告人が有罪になった可能性が高い」とも言及。検察側が、眠気とは別に、事故時の運転ミス自体の責任を問わなかったことが今回の結論につながったと指摘した。