カプコンの「特許権を侵害された」との主張を大阪地裁が認めなかったゲーム「戦国無双」(コーエーテクモゲームス提供)
人気ゲーム「戦国無双」などを販売する「コーエーテクモゲームス」(横浜市)に特許権を侵害されたとして、ゲームソフト大手「カプコン」(大阪市)が約9億8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、大阪地裁であった。高松宏之裁判長はカプコンの訴えを一部認め、コーエーに517万円の賠償を命じた。
訴状などよると、カプコンは、コーエーの戦国無双とホラーゲーム「零」シリーズの機能に特許の侵害があると主張。戦国無双にはゲームソフトにシリーズの別ソフトを読み込ませれば、ゲーム中で使える登場人物などが増える機能がある。
判決は、戦国無双の機能についてはカプコンの主張を退けた一方、「零」のゲーム中、特定場面でコントローラーが振動する機能については特許権侵害を認め、517万円の支払いを命じた。
特許庁は今年、いずれの機能もカプコンの「特許」と認めており、特許庁と地裁で判断が分かれた。
カプコンは「一部、主張が認められず、控訴を検討する」とコメント。コーエーは「実質的には勝訴と受け止めている。一部認められなかった点については対応を検討したい」とした。
カプコンは格闘ゲーム「ストリートファイター」やハリウッド映画にもなった「バイオハザード」のほか、「モンスターハンター」シリーズなどで知られる。コーエーも「戦国無双」のほか、「信長の野望」や競馬ゲーム「ウイニングポスト」シリーズなどのヒット作がある。(大貫聡子)