攻撃練習で長身選手対策として、道具を使って守備をする吉田亜沙美(左)
7月のアジア・カップで3連覇を達成したバスケットボール女子フル代表、8月に50年ぶりの銀メダルを獲得したユニバーシアード代表、7月のワールドカップで史上最高の4強入りを果たした19歳以下代表の3世代の日本代表計33人が11、12の両日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで合同合宿を行った。
日本が目指す戦術を各世代に浸透させることを目的にした初めての試み。フル代表の主将・吉田亜沙美(JX―ENEOS)や大崎(旧姓・間宮)佑圭(同)らベテラン勢が後輩に助言しつつ、攻撃や守備の戦術などを共有した。
フル代表のトム・ホーバス監督の発案によるもの。「『しつこい』『速いペース』など(全世代に)変わらないところはある。今回はもう少し細かいことをやった」と話す。その狙いの一つには「若い選手をフル代表に呼んだ時にスムーズに入れるようにする」こともある。来年9月にはワールドカップ(スペイン)を控える。「僕は競争が大好き。若い選手が突き上げれば代表が強くなる。全体のレベルを上げたい」
初日夜のミーティングでは、フル代表の選手から後輩に話をする機会があったという。吉田は「中途半端な気持ちで代表のウェアを着てほしくない。誰もが選ばれる場所ではない。日本を背負ってバスケットをしている自覚、意識を持ってほしい」と呼びかけた。女子代表の目標は、2020年東京五輪の金メダル。「代表に選ばれていない選手も含めて日本のバスケット全体の目標。選手全員がそう思っていないとレベルアップできない」と強調した。
吉田らの言葉は若い選手の胸にも響いたようだ。ユニバーシアード代表で主将を務めた澁谷咲月(早大2年)は「これまでは五輪という存在自体が遠かった。でも代表の皆さんの話を聞いて身近に感じたし、自分たちがもっとがんばって下の世代から日本を強くしていかないといけないと感じた」と話した。(伊木緑)