








(15日、サッカー東アジアE―1選手権・北朝鮮2―0日本)
なでしこ、北朝鮮に敗れ準優勝 東アジアE―1選手権
立ち上がり、北朝鮮の速い寄せにさらされた日本は割り切った。早めに長いボールをDFの裏に落とす。自陣でボールを失う愚を避ける危機管理に徹した。
相手の圧力に慣れるまでに15分。徐々に本来のパス交換でリズムをつかんだ。前半22分、左クロスを頭で合わせた岩渕はオフサイドだったが、初めてシュートまで持ち込んだ。
攻勢の中でゴールは遠い。分岐点となる先制点は、北朝鮮のエースが力ずくでこじ開けたミドルシュート。それでも、ひるみはしなかった。韓国、中国戦に比べ、ミスは減り、集中力は研ぎ澄まされた。強い相手に、なでしこらしい粘り強さも引き出された。
2016年4月の就任以来、高倉監督は阪口、熊谷(欧州組で今回は招集できず)ら要所に経験のある選手を残し、他で世代交代を推し進めた。スピードや球際の強さなど一芸に秀でたタイプを集めたのは、19年ワールドカップ(W杯)、20年東京五輪までの成長に期待してのことだ。
経験のない分、試合運びのつたなさには目をつむった。高倉監督は「我慢ですね、胃が痛くなるけど。ただ、失敗から学べる選手とそうでない選手の見極めはする」。そう位置づけた大会を「前半はやれるんじゃないかと感じた。まだ、ゴールを割れない弱さはある」と振り返った。
4月にはW杯予選が待ち受ける。阪口は「その前に経験を積めてよかった」。手応えと悔しさが同居する敗戦だった。(潮智史)