長野県喬木村議会のスケジュール
長野県喬木(たかぎ)村議会(定数12)は12月定例会から、平日の夜や休日に議会を開く「夜間・休日議会」を始めた。仕事を続けながら議員活動ができるよう主な議会日程を夜間・休日に移して、議員の担い手不足の解消を図る全国初の試みだ。議員になる間口を広げる一歩となるか。
喬木村の12月定例会は、平日の夜に3回の常任委員会、土曜の16日に本会議を開いた。左官会社の3代目社長の佐藤文彦議員(47)は、平日午後7時からの委員会に、仕事を終えた後に駆けつけた。
長野県南部にある人口約6千人の村では、6月の村議選で定員割れが危ぶまれ、3月まで消防団長だった佐藤さんが30~40代の仲間の後押しで立候補を決断。候補者数が定数に達し、無投票で当選者が決まった。これを機に議員のなり手不足への危機感が強まり、検討課題だった夜間・休日議会の議論が再開された。
平日昼に議会が開かれると、仕事との両立が難しい。一方、議員報酬は月約14万円。議員専業で家族を養う余裕はない。佐藤さんは家族と従業員の計6人で会社を切り盛りし、自ら住宅など工事現場の作業を担う。夜間・休日議会を始めていなかった6月や9月の定例会の際には月10日ほどしか働けず、外注に頼ることもあった。
佐藤さんは4日間の夜間・休日議会を経験し、「これまでも消防団やPTA、商工会の会合は夜に開かれたので、夜の議会も違和感はない」と話した。まだ開会時と閉会時の2回の本会議は平日昼に開くが、「仕事と両立がしやすくなる」と話した。
唯一の女性村議で1期目の福沢真理子議員(64)はケアマネジャー。医療や福祉の経験を生かしたいと議員になった。事業所で約30人の要介護者とその家族を担当。議会で仕事を休んだ時、担当の要介護者らに何かあれば代わりに同僚が対応してくれる。「本当に休んでいるわけじゃないから」と理解のある職場だが、「それでも心苦しさがあった。昼間に仕事を休まなくて済むと助かる」と言う。
■「名誉職のような議員はいらな…