倒木が押し寄せた場所を捜索する警察官ら=7日午後5時34分、福岡県朝倉市杷木林田、長島一浩撮影
九州北部は記録的豪雨から3日目を迎えた7日も、強い雨に見舞われた。土砂や流木に埋もれた被災地では、二次災害を警戒しながらの懸命の捜索と救出活動が続いた。死亡が確認された人は15人に及び、無事を祈った家族や知人らは、悲嘆に暮れた。
福岡県朝倉市の川岸では7日午前、行方不明だった樋口健太さん(21)=朝倉市杷木松末(はきますえ)=が遺体で見つかった。自宅から2キロ以上、川を下った場所だった。
「優しすぎるぐらい、気持ちの優しい子だった」。現場で次男の遺体を確認した父茂喜さん(60)はそう話した。交際相手との結婚を考えていたという。
最後に言葉を交わしたのは5日午後4時前。大雨が降り始めて間もなく、同県久留米市にいた茂喜さんに「今から(自宅を)出るよ」と連絡があった。ともに自宅にいた茂喜さんの母操子さん(85)は見つかっていない。
2人を捜すため、茂喜さんは7日朝、長男と自宅のある集落に歩いて向かった。だが道は寸断され、引き返さざるを得なかった。その後に届いた「発見」の一報。「『早く見つかってよかった』という気持ちと、『もしかしたら』という気持ちもあった」。そう言葉を振り絞った。
7日に死亡が確認された朝倉市山田の加藤年彦さん(87)と幹子さん(85)は、近所でも評判の仲良し夫婦だった。
近所の手嶋豊高さん(82)に…