道の駅に設置された人工巣(バードリサーチ提供)
ツバメが子育ての真っ最中だ。巣から顔を出したヒナが口をパクパクさせる姿はかわいい半面、悩ましいのが上から落ちてくる「フン」。人通りの多い駅やトイレに巣を作るため、苦情も多い。そんな中、フン受けや人工巣を置き、温かく見守る取り組みが広がりつつある。
ツバメは東南アジアで冬を過ごし、2月下旬に九州に飛来すると、4月には全国で見られるようになる。子育てシーズンは4~7月。卵が産まれてから2週間ほどでヒナがかえり、さらに3週間ほどで巣立つ。
天敵のカラスが近づかないよう、巣は人通りの多いところに作る。民家の軒先だけでなく、駅の構内や高速道路のサービスエリア(SA)にも多い。
ツバメに詳しいNPO法人バードリサーチの神山和夫さん(50)は「『フンが落ちるので巣を落として』という声がある一方、『なんで見守ってあげないんだ』という人もいて、悩ましい」と話す。
そこで「フン受け」を2012年に開発し、個人や企業に配布した。幅40センチ、奥行き25センチのプラスチック板を、巣から30センチほど下の壁に貼り付ける。巣からのフンを受け止め、下を通る人に当たらない。京王電鉄は14年に導入し、現在は7駅ほどで設置している。
食べ物を扱う店先など、少しで…