信貴芳則市長
大阪府岸和田市の信貴(しぎ)芳則市長(56)は21日、4年前の市長選に際し、自民党の推薦を得るために現金200万円を党関係者に預けた問題を受け、市議会議長に26日付での辞職願を提出した。信貴市長は市役所内で会見し、「改めて市政を託して頂けるよう頑張りたい」と、出直し市長選に立候補する考えを示した。
岸和田市長、辞職の意向 200万円受領問題受けて
市議会は25日の議会運営委員会で辞職願の取り扱いを協議し、翌26日の本会議で同意されれば、受理される。不同意でも、20日間たてば失職する。市長選は議長が市選挙管理委員会に辞職の申し出を通知した翌日から50日以内に行われる。市選管は来年2月4日投開票を軸に検討を始めた。
一方、市議会各会派は現金授受に関する説明が不十分だとして、定例会最終日の26日にも信貴市長の不信任決議案を提出し、可決される見通しとなっていた。このため議会内には辞職前の不信任決議や、問題の実態を解明するため、強い調査権限を持つ百条委員会の設置を求める声もある。
不信任決議案が可決された場合、市長は可決の通知を受けてから10日以内に議会を解散しなければ失職する。また解散後、初めて招集された議会が再び不信任決議をした時も失職する。
信貴市長は2013年11月の市長選で初当選。先月26日投開票の市長選で再選された直後、13年の市長選前に自民党岸和田支部役員に現金200万円を預けた問題が発覚した。支部役員は党府第18選挙区支部長の神谷(かみたに)昇衆院議員(68)=比例近畿ブロック=に提供したと主張するが、神谷氏は強く否定している。また信貴市長は、13年の市長選前後に計308万円の寄付を受けながら政治資金収支報告書に記載していないとして、会社経営の男性4人から、政治資金規正法違反(不記載)の容疑で刑事告発されている。