重さ80キロのウォーターバッグを打ち込む比嘉大吾。時に奇声を上げながら汗を流した=東京都杉並区
世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王者の比嘉大吾(22=白井・具志堅)に大一番が迫ってきた。2月4日、故郷沖縄の県立武道館で同級9位のモイセス・フエンテス(メキシコ)と戦う。これが2度目の防衛戦の比嘉は、ここまで14戦全KO勝ち。次も倒せば、WBCスーパーライト級元王者の浜田剛史氏(57)らが持つ15連続KO勝利の日本記録に並ぶ。
比嘉は27日に都内の所属ジムで練習を公開した。世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級元王者の具志堅用高会長(62)、浜田氏の顔もあった。ともに沖縄出身の名王者。比嘉は約1時間、スパーリングなどで汗を絞り出した。
肉食動物が獲物を仕留めるイメージ
なぜ比嘉は倒せるのか――。具志堅会長が語る。「ハートだけは教えられない。大吾は僕と同じものを持っていた」。会長の人脈で、これまでも沖縄出身の逸材は入門してきたが、頂点には届かなかった。昨年5月、比嘉はジム創設24年目で初の世界王者になった。
野木丈司トレーナー(57)が会長の言葉を補足した。「肉食動物が獲物を仕留めるイメージ。これは生来のものだと思う」。KOパンチを持っていても、セコンドが「行け」と指示しても、慎重すぎる選手は勝負に出られない。「大吾は僕らが指示する前に、もう行っている。会長も同じだったそうです」と話す。
■相手を選ばず経験積ませ…