新入生勧誘用のポスターに使う写真を撮影する石上将之さん(右)とボートに乗る山下智哉さん=高知市布師田
1999年に廃部になった高知大学のボート部が18年ぶりに復活した。約30年前には全国大会で活躍した古豪で、現役学生たちの熱意にOBたちが支援で応えた。16日には脇口宏学長から「復活に寄与した」とOBに感謝状が贈られた。部員たちは「新入生が入ってくるように、頑張っていい成績を残したい」と意気込んでいる。
冬の高知市を流れる国分川。きらきらと輝く水面へ1年生部員の山下智哉さん(19)がゆっくりとボートをこぎ出した。その様子を、新入生勧誘のパンフレットに載せるため、4年生の石上将之さん(22)が写真撮影していた。
高校でボートに打ち込んでいた石上さんは2014年、教育学部に入学した。しかし、ボート部はなく、ヨット部を見学しに行くと、上級生にボート経験者がいた。「一緒にやろう」。意気投合し、ボートサークルが誕生した。
活動を始めると、ボート部OBたちが支援してくれた。大会への送迎や遠征費の補助のほか、新入生の勧誘方法も教えてくれた。
2年生になると、上級生は学業が忙しくなり、練習は独りぼっちになった。新入生を勧誘したが、練習設備が整っていないこともあり、定着しなかった。
「やめたい」と思った時期もあったが、OB会に出席すると「思う存分やってくれ」と激励された。部の歴史の重さも感じ、「やめたら今後につながらない」と思い直して勧誘を続けたところ、昨年4月に経験者の山下さんが入部した。
2人は昨年11月、大学に創部を申請し、認められた。手続きには高知大だけでなく、東北大ボート部OBもアドバイスしてくれたという。復活を受け、OBたちも喜んだ。堀井寛さん(81)=神奈川県=は1957年創部の時のメンバー。琵琶湖で開かれる朝日レガッタに出場したことが学生時代の良い思い出だ。「部がなくなってもOB会は続けてきたが、現役部員がいるのは大きな違い。とてもうれしい」
ボートを寄贈したOBの難波則…