高梨のジャンプを見守る祖母・高梨豊子さん=12日午後10時48分、アルペンシア・ジャンプセンター
高梨沙羅(21)=クラレ=が銅メダルを獲得した平昌(ピョンチャン)冬季五輪のスキー女子ジャンプ。熱いドラマは、極寒のスタンドでも繰り広げられた。
特集:平昌オリンピック
高梨、4年間も見続けた悪夢 自分と向き合い手にした銅
12日午後7時半。競技開始の2時間以上前から、開門を待つ500人以上の列ができた。日本人の姿も目立つ。ソウル在住の佐藤享輔(きょうすけ)さん(42)は「沙羅ちゃんにぜひ4年間の悔しさを晴らして欲しい」。
スタンドの一角に応援団が集結した。赤いコート姿は高梨の地元、北海道上川町から。佐藤芳治(よしじ)町長(68)は「4年前の雪辱を果たしにきました」。高梨が繰り返してきたフレーズは、もはや合言葉だ。
スポンサーのエイブル社員は緑のポンチョ姿。伊藤有希(23)=土屋ホーム=らの地元、北海道下川町からもオレンジの軍団が駆けつけた。総勢100人以上。日本にいるような雰囲気を作りあげた。競技が始まると、葛西紀明(45)=土屋ホーム=も姿をみせた。
「日本の応援団の皆さん、声を合わせていきましょう」。エイブルの浅田祐太朗さん(26)が3色の応援団を一つにまとめる。
「行け行け高梨! 飛べ飛べ高梨!」
盛り上がる集団に、海外メディアもカメラを向ける。ノルウェーのスポーツチャンネルから来たジュリアナ・クラビクさん(30)は「うちの国はマーレン・ルンビがいるけど、女子ジャンプはまだまだ。早く日本みたいに注目されたい」。
午後11時45分。零下11度に冷え込み、雪が強さを増す。
高梨、勝負の2本目。応援団は総立ちで叫ぶ。
大きくK点を越えた。祖母の高梨豊子さん(74)は両手をたたいて喜ぶ。目に涙が浮かんだ。「おめでとう。よくやったね」
応援団の最前列では、チョンマ…