参院本会議で、国際観光旅客税(出国税)法が可決、成立し、議場に向かって頭を下げる麻生太郎財務相=11日午前10時8分、岩下毅撮影
日本を出国する人から1千円を徴収する国際観光旅客税(出国税)法が11日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。2019年1月7日以降の出国に適用される。国税としては1992年の地価税以来、27年ぶりの新税となり、税収は観光振興に使われる。
対象は、日本から航空機や船舶で出国する2歳以上の人。外国人だけでなく日本人も対象で、出国するたびに旅客機などの運賃に上乗せして1人あたり1千円が徴収される。航空機の乗員や、入国後24時間以内に出国する乗り継ぎ客などは対象外となる。
財務省は年間430億円の税収を見込む。使い道は10日に成立した改正国際観光振興法で①快適な旅行環境の整備②日本の魅力に関する情報発信の強化③観光資源の整備による満足度向上――の3分野とし、施策に対して納税者の理解を得ることや、先進的で費用対効果が高いことといった条件もつけた。
使い道を特定の目的に絞った税金は無駄遣いの温床になりやすい。費用対効果などを測る具体的な指標もなく、民進党や共産党などは「無駄遣いを招く恐れがある」などと反対した。(伊藤舞虹)