ベンチから笑顔で戦況を見守る大阪産大付の田上監督(右)
高校野球の春季大阪府大会で22日、大阪産大付が2回戦に登場。OBで今年2月に監督に就任した元ソフトバンクの田上秀則氏が、公式戦で初采配をふるい、開明を28―0(五回コールド)で下した。
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仁王立ちに腕組みのスタイルで戦況を見つめた。攻撃では二回で11点差がついたため、サインはほぼ出さなかった。打線は21安打を放ち、守っては2投手が無安打無失点の継投。危なげない試合運びを穏やかな表情で見守った。
初白星に、「そりゃうれしいですよ。一歩目を踏み出せたかな」と顔をほころばせた。田上監督は大阪産大付から九州共立大に進み、強打を売りに2001年秋のドラフト3巡目で中日に入団。06年にソフトバンクへ移籍し、09年には26本塁打を記録してベストナインに選ばれた。13年に引退し、今年2月1日から母校の監督に就任した。
それから2カ月。指導には、まだ慣れていない。「難しいですね。どう言えば、伝わりやすいのか。目線を(プロのレベルから)下げすぎてもいけないし。選手よりも少し上の目線でできれば」と試行錯誤の途中だ。ただ、「自分の色を出したい」と打撃練習を増やしてきた。
この日、本塁打を含む4安打を記録した主将で4番の田中優樹(3年)は、「飛距離が伸びました。打撃練習が増えたのはうれしいし、色んな打ち方を提案してくれるので」と歓迎。打力が新しいチームカラーになりつつある。
試合後のグラウンド整備。田上監督はホームベース周りを選手とともに慣れた手つきで土をならしていた。部員と二人三脚で進む夏。「大阪には、大阪桐蔭や履正社だけじゃなく、強いチームがたくさんある。そこと戦える戦力を整えて、夏に挑みたい」と意気込みを語った。(小俣勇貴)