巨人の岡本
(22日、プロ野球・巨人10―1阪神)
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どっしりと腰の据わった構えから放たれた打球が、バックスクリーンに伸びていった。五回無死二、三塁。巨人の岡本が、中越えに3ラン。点差を6に広げ、今季初の同一カード3連勝を引き寄せた。
チーム若返りへ。奈良・智弁学園高から入団した21歳に、向けられている期待は大きい。昨季まで村田がつけていた背番号「25」を引き継ぎ、オープン戦から多くの打席が与えられた。
春季キャンプでは主に左翼と一塁を練習し、競争相手はゲレーロと阿部。当初は高い壁とみられていた。が、今では高橋監督に「レギュラーっぽく見えてきた」と言わせ、「5番・一塁」の座をつかんでいる。
1打席ごとに、何がよくて、何が悪かったのか。自分で分析して次の打席に生かせていることが、成長の証しだ。
この日の場合、第1打席は阪神・高橋遥の速球に対して遊直。ただ、「いい感じでとらえられていた」。タイミングは合っているという感触を得た。勝ち越し打となった四回の中前適時打、そして五回の3ランはいずれも速球を仕留めた。どちらも1死、または無死で走者を三塁に置き、「外野フライでもいい」。気持ちに余裕もあった。
甲子園でバックスクリーンへの一発は、高校時代に出場した選抜大会でも打ち込んでいる。当時からの成長を感じるか、と聞かれた岡本は「成長していないと、まずいんで……」。周囲を笑わせた。(井上翔太)
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○野上(巨) 「普通のヒットが大歓声になるし、三者凡退でため息になる」と甲子園の雰囲気を楽しんで2勝目。
○高橋監督(巨) 16安打で快勝。「たくさん打てればいいけど、そうじゃないときもある。チームバッティングとか、いい攻撃もあった」
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▼阪神が甲子園でのシーズン最初の巨人3連戦で全敗するのは1995年以来。金本監督は「申し訳ない」と謝った上で、「選手が悔しい思いを持っているかが一番問題。持ってないような選手はいらない」と言った。不調の打線を組み替えたが機能せず、19試合で12球団最少の55得点。1試合平均で3点に満たない。