麺は向きをそろえるなど、アドリアン・アサトさん(左)とイザベル・キムさんは宮島力彩さん(右)から盛り付け方法の指導も受けた=大阪府東大阪市
外国籍の人が続々と入門する「ラーメンスクール」が、大阪府東大阪市にある。お国柄に気を配った味付けを学べるとあって、SNS上で評判に。海外でのラーメン人気も後押しし、生徒の9割が海外からだ。
東大阪市の「宮島ラーメンスクール」の調理場。アルゼンチンから来た夫婦が、代表の宮島力彩(りきさい)さん(52)の説明に通訳を介して熱心に耳を傾け、豚骨を洗って鍋に放り込んだ。
夫アドリアン・アサトさん(32)と妻イザベル・キムさん(30)。夫婦によると、アルゼンチンではインスタントラーメンは普及しているが、店舗は少ないという。2年ほど前、ブエノスアイレスで初めて豚骨ラーメンを食べ、とりこに。店は南部の寒い地域に出す予定といい、「おいしいラーメンで温まってもらいたい」と話していた。
宮島さん自身も元ラーメン店経営者。2001年からは様々なラーメン店に経営や味のアドバイスを始め、09年にスクールを開いた。基本は5~7日間のコース。翌10年ごろから外国籍の人が増え始め、今はアジアや米国、欧州など世界中から学びに来ている。
米・ニュージャージー州のミン・ジェンさん(39)と妻のヤン・ガオさん(36)は「本物のラーメンを広めたい」と受講し、年内にも現地で店を開く計画だ。スリランカでレストランを経営する男性(40)は、すでに店でラーメンを提供しているが、本場の作り方を学ぶために入校。「スリランカ人好みの辛めの味付けにして、はやらせたい」という。
宮島さんの学校が人気なのは、丁寧な個別指導にある。生徒ひとり一人のレベルに合わせるとともに、味の面でも要望に応じ、豚骨、しょうゆ、みそとそれぞれきめ細かく指導するといった点がSNSで広まった。要望が多いのは、イスラム教の教えに沿って、豚肉を食べない「ハラール」や、動物性食品を一切使わない厳格な菜食主義に対応したラーメン。宮島さんは、ピューレ状にしたアボカドを使ったスープなど、独自のレシピを教えている。
これまで世界各地から約400…