新潟県知事選(24日告示、6月10日投開票)で、立憲民主党や国民民主党など野党各党は、地元県議の池田千賀子氏(57)を「野党統一候補」として支援する方針を決めた。前回は原発政策で足並みが乱れたが、安倍政権の疑惑追及が続く国会での野党連携の流れをくみ、政権との対決姿勢を優先した。自民、公明両党は無所属で立候補する元海上保安庁次長の花角(はなずみ)英世氏(59)を支援する方針で、与野党激突の構図が鮮明になった。
立憲と連合の幹部は16日、東京都内で意見交換会を開き、池田氏を支援する方針で一致。立憲の枝野幸男代表が「連携して頑張っていこう」と呼びかけ、連合の神津里季生(りきお)会長は「野党一致して戦っていく」と応じた。
2年前の前回知事選で、当時の民進党は自主投票だった。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を示した米山隆一前知事に対し、連合傘下の電力総連が反発したためで、野党第1党が与野党対決の構図に加わらなかった。
国民は16日の総務会で、池田氏を推薦する方針を確認。面会のうえ正式決定するが、党幹部は「安倍政権に審判を下す選挙。全部のみ込んだ上での判断だ」と述べ、党内の原発推進派の異論を抑えて野党連携を優先する理由を語った。来年夏には参院選が控えるなか、知事選で勝利すれば弾みになる。
共産、社民も16日までに池田氏の推薦など支援方針を固め、党をあげた態勢を築く構えだ。
野党各党の国会対策委員長は同日、国会内で会談し、27日にそろって現地入りすることを決めた。知事選の応援で国対委員長が並ぶのは極めて異例だが、共産の穀田恵二国対委員長は「(国会での)今の異常事態を作り出している政権を許してよいのか。私たちが行くことに意味がある」と語り、政権追及の「場外戦」と位置づける。(河合達郎、及川綾子)