新潟県阿賀野市の五頭(ごず)連山で29日に発見された2人の遺体について、県警は31日、行方不明になっていた新潟市北区の会社員渋谷甲哉(こうや)さん(37)と、長男で小学1年の空(そら)くん(6)の親子だと発表した。2人は5日に山に入り、連絡がとれなくなっていた。
県警阿賀野署によると、遺体は29日午前11時20分ごろ、2人が向かったとみられる松平山(954メートル)から南西に約1・7キロ離れた「コクラ沢」の斜面で見つかった。甲哉さんの上に空くんが重なるようにうつぶせに倒れていた。死因は低体温症とみられるという。
空くんの祖父秀雄さん(73)は29日に遺体と対面。取材に「お帰りなさいといってあげたい」と声を震わせた。山へ行く前夜、秀雄さん宅でトランプをした。「空に『じいちゃんもおいで』と誘われ、ルールを教わった」。楽しい思い出ばかりだったという。
秀雄さんは2人と連絡がとれなくなった6日朝、駐在所を訪れて相談した。だがすぐには署に伝わらず、結果的に捜索開始は7日になった。それでも、「見つかるまで毎日つらかったが、たくさんの人が協力してくださった」と捜索に携わった人たちへの感謝の言葉を繰り返した。(湯川うらら)