ポーランド人のダリュウシュ・ボチュコブスキさん(40)。応援にはマフラーが必須アイテム=大阪市
熱戦が続くサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会。日本代表が19日(日本時間)からいよいよ登場する。グループリーグで相まみえるのは南米のコロンビア、アフリカのセネガル、東欧のポーランド。お国柄やサッカー愛を、関西で暮らす人たちに聞いた。
【特集】2018ワールドカップ
2018ワールドカップの試合日程
日本代表のニュースや試合日程
サッカーはコロンビアの文化 留学生オマル・エレラさん(22)
サッカーは、コロンビアの文化です。道でも公園でもボールを蹴ってるし、地元のチームを応援します。昨年から日本に留学していますが、大阪の人が阪神タイガースを応援するみたいに。日本人は優しいけど、コロンビアは熱狂的なファンが多く、ケンカも起きます。私も日本人的なので、インターネットで試合を見ることが多い。
スペイン系、アフリカ系、先住民――。コロンビアには見た目も性格も違う人たちが暮らしています。代表チームのメンバーも一目見ただけでは、同じ国の人には見えません。政府とゲリラの戦争も長く続きました。でもみんなサッカーは好き。一つになれます。
前回大会準々決勝のブラジル戦はみんなで観戦しようと、大半の役所が休みになりました。負けたのがすごい悔しかった。審判のせいだと、2カ月後まで言っていました。
今回は、ラテンの友達たちと見ることになりそう。前回ケガで出場できなかったファルカオがいるから強いですよ。2点リードしたら日本を応援しようかな。(構成・増田勇介)
忘れられない日韓大会 セネガル人留学生のシッス・シガさん(21)
多くのセネガル人にとって、忘れられないW杯の思い出は2002年の日韓大会。初出場のセネガルは開幕戦で98年優勝のフランスに勝ち、その勢いでベスト8まで勝ち上がりました。
私の家に近所の人が集まって、テレビで一緒に応援しました。街中に太鼓の音が鳴り響き、お祭り騒ぎ。フランスはかつてセネガルを植民地化していた国。あこがれもあるけど、複雑な思いもある。当時の選手たちは今も国の誇りです。
男の子に人気のスポーツは、「ラーム」というセネガル式の相撲。サッカーも負けないぐらい人気で、海外で活躍する選手を夢見て、ボールを蹴っている子もよく見ます。
日本の大学に留学し、建築学を学んでいます。戦後急速に発展した点に興味がありました。いつも親切にしてもらって、今は第2の母国です。今大会のセネガルは日本より強いと聞きますが、どっちも勝ち上がってほしいですね。(宮崎勇作)
ポーランドは伝統の守備重視 ダリュウシュ・ボチュコブスキさん(40)
ポーランドは伝統的に守備を重視します。強豪が多い欧州で勝ち抜くには、そのスタイルが必要だと思います。今回もシュチェンスニ、ファビアンスキら優秀なキーパーぞろい。日本が点を取るのは簡単じゃないですよ。加えてエースのレバンドフスキがいますから、期待は高い。1974年と82年に3位になっていますが、もっと上にいってほしい。
多くのポーランド人は、日本に良い印象を持っています。日本製品への信頼も高く、漫画に興味を持つ人も多い。あまり知られていないですが、ロシア革命後、シベリアにいたポーランド孤児を日本が救った歴史的つながりもありますね。私は合気道に興味を持ち、20代後半のときに京都で1年間留学しました。帰国後、知り合った日本人女性と結婚して再来日し、システムエンジニアとして働いています。
ポーランド人は周辺の大国による分割などを経験した歴史から愛国心がとても強い。W杯は盛り上がります。日本戦は深夜のキックオフ。翌日は休みを取り、ビールを飲みながら自宅観戦します。妻と一人娘は日本を応援しているようですが、私はもちろんポーランドです。(中川竜児)