世界文化遺産・富士山の構成資産のひとつで、美しいわき水で知られる「忍野八海(おしのはっかい)」(山梨県忍野村)の「湧池(わくいけ)」で22日、池の中に観光客が投げ入れた硬貨を回収する作業があった。
ボランティアのダイバーが早朝から水中に入り、手作業で水底にたまった硬貨を引きあげた。水温は年間を通じて13度ほどで、身を切るように冷たい。ダイバーらは約20分で交代しながら回収を続けた。
忍野八海は湧池を含む八つの池からなり、環境省の名水百選にも選定され、観光名所になっている。
忍野村によると、さい銭代わりに投げ入れられているようだという。水質が悪化し、景観も損ねることから、以前から硬貨の投げ入れをしないよう呼びかけている。
しかし、2013年の世界文化遺産登録後、外国人も含め観光客が増加。投げ入れられる硬貨も多くなったという。
ボランティアダイバーの代表をつとめる坂本新さん(51)は、「回収しても3カ月ほどで元に戻ってしまう。ダイバーが入らなくて済む状態になるのが理想です」と話した。(諫山卓弥)