ラオスの国営メディアは24日、南東部アッタプー県で建設中の水力発電用のダムが23日夜に決壊し、数人が死亡、数百人が行方不明になっていると伝えた。建設に参加しているタイの企業は、暴風雨が続いたのが原因と説明。ラオス当局が救助を続けているが、被害がどこまで広がるのか予断を許さない状況だ。
報道などによると、建設中のセピエン・セナムノイダムが決壊し、大量の水が流出。洪水が六つの村を襲い、6600人以上が家を失った。トンルン首相は閣僚や高官らとともに現地に向かった。ダムの運営会社は23日、大雨で危険な状態だとし、周辺住民への避難の呼びかけを地元当局に要請していたという。
フェイスブックには、人々が濁流の中を荷物を持って避難する様子や、家の屋根の上で助けを待つ映像が投稿されている。
ダムは韓国、タイの企業とラオス側との合弁会社が2013年から建設を始めていた。ラオスでは電力をタイなど近隣国に売るため、水力発電所の建設が相次いでいる。(シンガポール=貝瀬秋彦)