8月にアジア大会が開幕するジャカルタで、選手村の近くを流れる川の異臭が深刻なため、地元政府が非常措置として川一面を網で覆い隠した。
ジャカルタのクマヨラン地区はアジア大会で体操や卓球などの競技会場となるほか、約1万6千人が滞在する選手村が設けられた。その食堂のそばを流れる川はゴミや生活排水が流れ込み、卵が腐ったような異臭がある。地元では「黒い川」と呼ばれる。
各国から集まる選手の前で醜態をさらすわけにはいかず、当局は清掃回数を増やしたが臭いは消えなかった。そこで先週末までにナイロン製の黒い網を張った。一定の効果はあるようで、ジャカルタ特別州のバスウェダン知事は「将来はジャカルタの全ての川に設置したい」。だがネット上では「隠しているだけで根本的な解決になっていない」と疑問視する声が相次いでいる。(ジャカルタ=野上英文)