日大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、同部は27日、今季公式試合の出場資格停止処分の解除を求めて関東学生連盟に提出していたチーム改善報告書を日大のホームページ上で公表した。問題の原因は内田正人前監督の圧迫的な指導体制とし、再発防止策として前監督の影響力排除などを記している。
報告書は同部の加藤直人部長名で記された。公表されたのは、主に4項目に分かれた16ページの文書と2ページの「報告書(追加)」。原因の詳細については①常務理事など大学の要職を務めていた内田前監督の部内での強い影響力②反則をいとわない勝利至上主義③ルール順守や暴力に対する意識が希薄④選手・スタッフが反則指示について相談できない環境⑤外部組織が部の運営を監督できなかった――の5点を挙げた。内田前監督がかつてコーチに暴力を振るい、暴力的な指導をコーチに強要していたことも明らかにした。
再発防止策については、内田前監督の影響力を排除するため日大OBでない新監督を起用するほか、大学理事による運動部監督などの兼職の禁止、運動部相談窓口の設置などを挙げた。
今回の報告書の作成にあたっては、選手と数回にわたって意見交換し、父母会からは改善案を受けたという。タックルした守備選手に対しては、改めて謝罪の言葉を記した。
また、関東学連は27日、日大の処分解除の可否を決める臨時理事会を31日に開くと発表した。(遠田寛生)