日本最北の百名山・利尻山(標高1721メートル)を抱え、周囲約60キロの円形の島。北海道・利尻島に4日、天皇、皇后両陛下が初めて訪れる。象徴の務めとして、島々への訪問を大切にしてきた天皇陛下。今回で55島目。在位中最後の離島訪問となる見通しだ。
「魅力ある漁業を築く離島の取り組みを見てもらいたい」。宮田秀彦・利尻町まち産業推進課長(50)は訪問を心待ちにしている。
利尻島の基幹産業は漁業。エゾバフンウニが特産だ。濃厚で甘みがあり、08年洞爺湖サミットの晩餐(ばんさん)会にも使われた。観光客にも人気だが、一時期の乱獲や水温上昇などによる環境変化で資源は減っている。
両陛下は今回、ウニの養殖を手がける「ウニ種苗生産センター」に足を運ぶ。エゾバフンウニの稚ウニを育て、毎年400万粒を海に放流している施設だ。漁業者はこの約30年で7割近く減って200人あまりになったが、1人あたりの水揚げ量は増え、市場価格の値上がりもあって所得増につながっているという。
両陛下は利尻山を眼前に望むオ…