トランプ米大統領は1日、2016年の米大統領選にロシアが介入したとされる「ロシア疑惑」の捜査について、ツイッターに「これ以上、米国を汚す前に、この不正に仕組まれた魔女狩りを今すぐ止めるべきだ」と投稿し、セッションズ司法長官に捜査を即時に止めるように求めた。
トランプ氏は、トランプ氏陣営とロシアとの結託疑惑を「全くのでっちあげ」として、捜査を指揮するマラー特別検察官の対応を度々批判してきたが、捜査中止を明白に求めるのは異例の事態だ。
一方、ホワイトハウスのサンダース報道官は1日の会見で「命令ではなく、大統領の意見だ」「妨害ではなく、反撃しているのだ」と釈明した。
米ABCテレビによると、トランプ氏はマラー氏が直接聴取で司法妨害疑惑について聴く意向があると知り、ツイートにつながったという。
司法妨害の立証には妨害の「意図」が必要になる。今回のツイート自体がこの意図を示す証拠の一部になる可能性もある。
トランプ氏は昨年5月、ロシア疑惑の捜査を指揮していたコミー連邦捜査局(FBI)前長官を突如解任。トランプ氏自身の司法妨害疑惑が浮上し、特別検察官の任命につながった経緯がある。(ワシントン=杉山正)