「自分たちより強い高校はないと思っていた」――。「やまびこ打線」の徳島・池田高出身の水野雄仁さん(52)がこう振り返れば、愛知・大府高出身の槙原寛己さん(54)は「(自分は試合に出られなかったが)2年の夏にチームが出場できた時は、日本シリーズで優勝した時よりもうれしかった」と思いを語った。
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2人は、東京・新宿高島屋で2日に開幕した「高校野球100回記念展」(朝日新聞社など主催)のトークショーで語り合った。
水野さんは夏の第64回選手権大会(1982年)、春の第55回選抜大会(83年)と夏春連覇を達成した。槙原さんは81年の選抜大会で速球投手として名をはせた。ともにプロ入りし巨人で活躍した。
展覧会について水野さんは「強豪校の優勝盾が展示されており、大会ごとに盾のデザインが異なることを知って驚いた」と話した。槙原さんは「『週刊朝日』付録の選手名鑑入りスコアブックに沢村栄治選手や川上哲治選手の名を見つけて、高校野球の歴史に今まで以上に興味が湧いた」と話した。
池田高では、故蔦(つた)文也監督が、ウェートトレーニングと肉をたくさん取る食事法を指導した。水野さんは「蔦監督には練習が終わって30分以内に食事をしなさいとよく言われた。それでパワーがつき『やまびこ打線』が実現できた」と振り返った。さらに「高校野球はふるさとを感じられる場所。自分や家族の母校、出身県の代表校を応援する楽しみもある」と話した。
展覧会では、高校野球をとりまく世相と甲子園を熱くした数々の名勝負を紹介する。松井秀喜さん(星稜高)のホームランボールなど名選手のゆかりの品や強豪校の優勝旗レプリカなど、約300点の資料やパネルを展示している。
13日まで。入場無料。問い合わせは、新宿高島屋(03・5361・1111)。(富沢美緒)