警察庁が2日に発表した上半期の特殊詐欺の状況で、摘発した1325人のうち4人に1人にあたる368人が少年だった。昨年同期の約2倍。少年の関与が相次いでいることを受け、警視庁は、関与した少年の「生の声」を集めたDVDを初めて作り、教材として活用し始めた。
「上には顔も名前も知らない暴力団がいて本当に危険。自分自身の命がなくなってしまう可能性もある。今後、犯罪組織の人間から接触があった場合は、警察や弁護士を通して話をつけられるようにして解決したい」
特殊詐欺に関与して多摩少年院(東京都八王子市)に入った少年3人のインタビューを収めたDVD「後悔~過ちに気付いた少年たち~」の一場面だ。この少年は、東京・六本木のクラブで見知らぬ入れ墨の男から「グレーな仕事がある」と軽く誘われたという。
DVDは、警視庁が、少年が特殊詐欺の加害者とならないように都内の小・中・高校で行う非行防止教室などで活用するために制作した。在院中の少年の声を教材化するのは全国初の試みという。少年事件課の警察官が1対1で質問する形式で、今年春に収録した。
現金を受け取る「受け子」だった少年は「高校の先輩に『稼げる仕事がある』と紹介された。危ないと思ったが、先輩に財布や身分証をとられ、逃げられないなと思って始めた」。「最初の1人、2人は申し訳ないと思った」が、次第に感覚がまひし「だまされる方が悪いと思うようになっていた」と語る。
別の少年は「バイト先で知り合…