夏の甲子園にゴジラ再来か? 元大リーグ・ヤンキースの松井秀喜さん(44)になぞらえ「ゴジラ2世」と呼ばれる選手がいる。初出場となる折尾愛真(北福岡)の主将、松井義弥君(3年)。宿舎も秀喜さんにゆかりがあり、闘志を燃やしている。
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「松井秀喜さんよりも、すごいプレーヤーだったと言われるように頑張ります」。7月30日夕、神戸市中央区の宿舎「ほてるISAGO神戸」で、従業員らにあいさつした。
ISAGOは1988年に石川代表の宿舎となった。高校時代から「ゴジラ」の愛称で親しまれた秀喜さんら星稜の選手たちが利用した。3年で主将の秀喜さんが5打席連続敬遠されて敗れた92年を最後に、改装や宴会への対応で出場校の受け入れをやめた。
今夏は100回大会の節目。出場校が7校増え、宿舎が足りなくなった。ISAGOは26年ぶりに出場校を受け入れ、北福岡代表を迎えることになった。
「社長、ゴジラ2世がいますよ」。北福岡大会決勝があった7月23日、北九州市民球場に足を運んだISAGOの従業員から、砂金伸和社長(49)に電話が入った。
「松井」姓の義弥君は秀喜さんと同じ主将。右投げ左打ちで三塁手も一緒だ。身長191センチ体重88キロ。秀喜さんは92年の時は185センチ86キロだった。
義弥君の高校通算本塁打数は40本。60本だった秀喜さんに姿を重ねる声があり、スポーツ紙で「折尾のゴジラ」「九州のゴジラ」と記される。義弥君は「特に意識してはいないけど、偉大なバッターにたとえられてうれしいです」。
今も秀喜さんと交流が続くISAGO女将(おかみ)の砂金美津子さん(82)は、阪神大震災の際は見舞いの電話をもらい、ニューヨークのヤンキースタジアムにも招かれた。ゴジラ2世について「大人びているところは似ているね。松井君より背は高いけど、ちょっと細いかな」と言う。「悔いなく、元気に暴れ回ってもらえたら」
5日、秀喜さんは甲子園の開幕試合で始球式を務める。選手として尊敬しているという義弥君は「『100回大会で一番輝いていたのは折尾愛真の松井』と言われるようになりたい」と意気込む。(狩野浩平)