(18日、高校野球 大阪桐蔭11―2浦和学院)
18日締め切り! 夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム
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浦和学院(南埼玉)は18日、2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)との準々決勝に臨んだが、中盤に集中打を許して大敗。32年ぶりのベスト4進出はならなかった。
「継投が思うようにいかなかった。監督の失敗です」。試合後、森士監督(54)は淡々と述べた。
2点を返して1点差に迫った直後の六回表の守り。1死二塁で森監督は動いた。先発の渡辺勇太朗君(3年)を左翼へ回し、左腕の永島竜弥君(2年)がマウンドへ。左打者に対応するための継投策だった。
しかし永島君は死球と四球を与え、ピンチを広げる。さらに満塁から3連打を浴びて5失点。「抑えなくてはいけないと力みが出てしまった」。アウトを一つも取れないまま、エースの河北将太君(3年)にマウンドを譲った。それでも大阪桐蔭打線の勢いは止められず、この回結局6失点。つかみかけていた主導権を逃した。
浦和学院は今夏、5人の投手を駆使して南埼玉大会を勝ち上がり、5年ぶりに代表の座をつかんだ。甲子園での初戦の2回戦は4人の継投、続く3回戦は渡辺君が完封し、無失点で8強入りした。
左右のタイプが異なる投手をそろえた背景には、5年前の森監督の苦い記憶がある。埼玉勢として45年ぶりに選抜大会を制し、春夏連覇を狙って臨んだ第95回大会。仙台育英(宮城)との1回戦は点の取り合いになった。森監督は左腕エースの小島和哉投手(現早大)を九回途中まで続投させ、182球を投じたところで交代。結果は10―11でサヨナラ負けを喫した。
「小島1人に悲しい思いをさせてしまった」と森監督。エースだけに頼らず、総合力で勝負――。春夏通算23回出場を誇る浦和学院の新たなスタイルの象徴が多彩な「投手陣」だった。
九回、森監督は渡辺君をマウンドに戻した。「もう一度、最後行くぞ」。勝負どころで渡辺君に再び託すのが、理想の継投と考えていたからだ。
持ち前の速球で強力打線に立ち向かった渡辺君だったが、交代の直後、自身3本目となる本塁打を浴びた。試合後、「155キロくらいまで出せるように鍛える。悔しさを糧にしたい」と力を込めて言った。(辻健治、山口啓太)