非常に強い台風20号は23日午後、西日本に上陸し、24日にかけて列島を横断する見通しだ。22日に九州の西を進んだ強い台風19号と「ダブル台風」の状態で、気象庁によると、四国や東海では局地的に総雨量が1千ミリを超える可能性もある。
台風20号は22日、発達しながら日本の南を北上。23日午後、近畿や四国に上陸し、24日朝には日本海に達する予想。西日本と東海は23日昼過ぎから夜にかけて猛烈な雨や暴風、高波となり、24日まで影響が続きそうだ。西日本豪雨で被災した地域でも土砂災害や河川の氾濫(はんらん)に厳重な警戒が必要という。
九州や四国など、台風19号ですでに大雨となっている地域もあり、降り始めからの総雨量はかなり多くなる見込み。23日午後6時までに予想される24時間降水量は多いところで、東海と四国300ミリ、近畿250ミリ。24日午後6時まででは、四国600~800ミリ、近畿400~600ミリ、東海300~500ミリ、甲信200~300ミリ、北陸と関東、中国100~200ミリ。
台風20号は22日午後6時現在、父島の西約410キロを北西へ時速30キロで進んでいる。中心気圧は950ヘクトパスカル、最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートル。
22日は台風によって南風が入った影響もあり、各地で気温が上昇。最高気温は大阪府堺市で39・7度、京都府福知山市で39・6度、富山市で39・5度と、いずれも観測史上最高を更新した。23日も北陸地方で37~38度まで上がるところがある予想だ。
台風20号の接近を受け、政府は22日、関係省庁災害警戒会議を開催。小此木八郎・防災担当相は市町村長に「住民がとるべき行動を具体的に伝えるなど早期避難に結びつく工夫を」と促した。また通勤通学への影響も懸念されるとして、状況によっては時間短縮や休みなどの措置をとるよう、学校や企業に呼びかけた。(山岸玲)