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「経済的な実害も…」噴火警戒中の口永良部島、緊張続く

噴火の可能性が高まったとして気象庁が鹿児島県屋久島町の口永良部(くちのえらぶ)島の噴火警戒レベルを4(避難準備)に引き上げて22日で1週間。一時増えた火山性地震は小康状態だが、気象庁は当面レベル4を維持する見通し。島民への避難準備情報の発令も続いている。


気象庁によると、2015年5月に爆発的噴火を起こした新岳(しんだけ)の西側山麓(さんろく)で今月15日、深さ約5キロを震源とする地震が急増。レベルを2(火口周辺規制)から引き上げ、新岳火口から半径3キロで噴石や火砕流に警戒を呼びかけている。


同型の地震は16日以降、21日午後3時時点で発生していないが、15年は地震の4カ月後に爆発的噴火が起きている。気象庁は、2週間ほど同型地震がなければレベル引き下げを検討する。


屋久島町はレベル引き上げに伴って発令した「避難準備・高齢者等避難開始」を継続。21日は台風19号が接近し、暴風雨の中の噴火を懸念し、火口から3キロ以上離れた避難所に早めに逃げるよう呼びかけた。同日午後6時現在、5世帯12人が避難している。


本村地区の貴舩森区長(46)は家族5人で公民館に避難した。経営する民宿は20人以上のキャンセルが出た。「山の様子が気になりながらの生活だが、経済的な被害にも困っている」と話した。


21日現在、島には56世帯82人が居住。町は15年の噴火後、火口から4・5キロ離れた高台に全島民が1週間近く避難できる番屋ケ峰避難所を整備した。1800食分の乾パンや飲料水を備蓄し、簡易シャワーや発電機も備えている。


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