大阪北部地震、西日本豪雨と相次いで災害に見舞われた西日本に23日、大型の台風20号が接近した。企業は被害や帰宅困難者が出ないようにと対策を急いだ。
JR大阪駅前の阪神百貨店は、通常よりも3時間早めて午後5時で閉店した。夕方から多くの区間で電車が運休するためで、地下食品売り場では、閉店直前に食材を買い求める客で混雑した。近くの大丸梅田店や阪急百貨店も午後5時で閉めた。アシックスは西日本の一部店舗を早めに閉店。ミズノも大阪・梅田など直営5店を、営業時間を短縮して午後3時で閉店した。
クボタや京セラ、大和ハウス工業は、本社の退社時刻を切り上げた。東洋ゴム工業やカプコンも本社勤務者らを早めに帰し、24日も電車が運休すれば自宅待機にするという。「地震の時はタクシーもつかまらず大変だった」(カプコン広報)ためだ。
西日本豪雨の被災地に拠点がある企業は、災害への警戒を強める。マツダは広島県と山口県にある工場の操業を午後3時で中断し、夜間の操業を取りやめた。三菱自動車水島製作所(岡山県倉敷市)も午後4時ごろに生産ラインを止め、ダイハツ工業は本社工場などでこの日の夜勤をやめた。
また、豪雨で浸水したパナソニックの岡山工場は台風に備えて、持ち運べる部品を2階に移した。
関西電力や四国電力は、管理や営業部門の従業員を早めに帰宅させる一方、各地の宿直員を増やした。電柱が倒れたり電線が切れたりした場合、すぐに駆けつけられる態勢とした。NTT西日本は、電話やインターネット回線の故障に対する問い合わせが増えるとみて、コールセンターの人手を厚くした。(金本有加、伊藤弘毅、西尾邦明)