徳島県に上陸した台風20号について、気象庁は24日明け方にかけて西日本を中心に、高潮が発生する恐れがあるとして、大雨や猛烈な風とともに厳重な警戒を呼びかけている。年間でも潮位が高くなる時期で、瀬戸内海では台風の接近と満潮時刻が重なる地域もあるという。
気象庁によると、予想される最高潮位は、兵庫県で2・7メートル、岡山県、香川県で2・6メートル、大阪府で2・2メートル、徳島県、高知県で2・1メートル。
高潮は、台風や発達した低気圧が通過する時に、潮位が大きく上昇する現象。台風などの周囲にある気圧の高い空気が海面を押し下げる一方、中心に近い空気は海水を吸い上げるように海面を上昇させる。また、沖から海岸に向かって吹く強風によって海水が吹き寄せられ、海岸近くの海面はさらに上昇する。
気象庁は高潮について解説したホームページで「普段は波が来ないようなところまで波が押し寄せ、被害が拡大することがある」「満潮と高潮が重なると、潮位がいっそう上昇して大きな災害が発生しやすくなる」と説明。気象情報に十分に注意し、早めに対策をとるよう呼びかけている。(鈴木智之)