16日での引退を表明している歌手の安室奈美恵さん(40)が15日夜、故郷・沖縄県で開かれた音楽祭に出演し、最後のステージで歌った。チケット総数は約3500枚。会場に入れる観客は限られたが、全国各地からファンが詰めかけ、会場の内外で「平成の歌姫」との別れを惜しんだ。
午後8時半過ぎ、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターでのライブを見た横浜市の看護師、木村桃子さん(29)は「今まで見たライブで、一番楽しそうだった」。夜勤の予定を替わってもらい、駆けつけた。約40分、8曲を歌った後、BEGINら共演者をステージに呼び、「ありがとうございました」と3回言ったという。
広島市から来た会社員、榎津佳菜さん(33)は20年来のファン。周囲のファン仲間は10人以上が落選したといい、「友人たちの分も気持ちを託された責任がある。『ありがとう』の気持ちをしっかり届けて、笑顔で送り出したい」。
東京都台東区から来た佐々木舞さん(27)は「心から楽しめ、笑顔で送り出せました。感無量です」。
職場の同僚と来た沖縄県北谷町の薬剤師、嘉数亜紀さん(27)は「目に焼き付けます」と涙ぐんだ。
会場外には、チケットをとれなかった1千人を超すファンが集まった。前日に沖縄入りした大阪市の会社員、坂本智絵梨さん(28)は、安室さん引退について今も「信じられない」。時折、漏れ聞こえる歌声や歓声に耳を澄ませた。(坂本真子)