創立55周年を迎えたバロック音楽演奏団体「日本テレマン協会」が21日、「テレマン55周年音楽祭」を大阪市北区の市中央公会堂で開催する。ハイドンのオラトリオ「四季」をメインとして、リコーダー奏者78人によるオーケストラなど、館内4会場で多彩な音楽を繰り広げる。創設者で音楽監督の延原武春は「よく55年続いた。支えてくれた人と地域に感謝し、恩返しをしたい」と語る。
大集会室で午後1時開演の「テレマン55リコーダーオーケストラ」は、協会創設者の1人であるリコーダー奏者・北山隆がプロデュース。この日のために集まった78人が、テレマンの組曲「ハンブルクの潮の満ち干」序曲などを演奏する。数種あるリコーダーのうち低音部を担うものは、背丈を優に超す大きさという。
指揮も務める北山は「小中学校で習う楽器としておなじみだが、たくさん集まればパイプオルガンのようなすごい響きを出せる。オーケストラとして継続して活動していきたい」と意気込みを語る。
中集会室で午後4時開演の「四季」は、延原指揮のテレマン室内オーケストラとテレマン室内合唱団で。定期公演でも使う中集会室について延原は、「名前はよくないが、響きが古楽向きの素晴らしいホール。こんなホールは珍しく、『東京でも公演して』と言われた時、『じゃあ東京にこういうホールを作って』と答えるくらい」と愛着を語る。
同2時15分からは、小集会室でテレマン・リターンズ・カルテットによるモーツァルトやハイドンの弦楽四重奏曲、特別室で高田泰治によるフォルテピアノのリサイタル。建築と音楽についての講演や写真展なども併せて開かれる。
延原は「うまいことメンバーが入れ替わって、たくさんの仲間とたくさんの仕事をしてきた。彼らのためにも、テレマン協会を続けていくのは僕の義務。60周年も北山らと一緒にできたらいいね」。
問い合わせは日本テレマン協会事務局(06・6345・1046)。(小原篤)