関西の公共ホール4館が共同でフンパーディングのオペラ「ヘンゼルとグレーテル」を制作し、9月30日から来年2月にかけて巡演する。共同制作で各館の負担を減らし、大道具や衣装を持ち寄るなどして節約を図る一方、地元の少年少女合唱団やバレエ団に出演してもらい地域色を出す。演出の籔川(やぶかわ)直子は「経験豊かな歌手陣と子どもたちのパワーを合わせ、楽しい舞台にしたい」と話す。
仲の良い兄妹が深い森で迷子になり、「お菓子の家」で恐ろしい魔女に捕まるというおなじみの物語。全3幕、休憩込みで約2時間半。日本語上演で、更に字幕も付ける。オペラ初心者や子どもにもより分かりやすく、という配慮だ。
グレーテル役の坪内由佳子は会見で、「小さい子が本物の音楽に触れられる場は少ない。私自身3人の子がいるが、今回のようにオペラを聴けて、参加もできるというのはとてもいい機会だと思う」と語った。
ヘンゼルは阪上真知子と味岡真紀子のダブルキャスト。味岡は「世界中で愛されているメルヘンオペラの世界をしっかり演じたい」。
兵庫県内の公立施設が2015年に始めた「兵庫プロデューサー・パートナーシップ(HPP)」事業の一環。篠山市・たんば田園交響ホール(9月30日午後3時半開演/079・552・3600)、たつの市・赤とんぼ文化ホール(10月14日午後3時半開演/0791・63・1322)、姫路市文化センター(来年2月3日午後3時開演/079・298・8015)のほか、大阪府からも摂津市民文化ホール(来年1月27日午後3時半開演/072・635・1404)が参加した。
HPPではコンサートや人形劇などを共同制作してきたが、お金のかかるオペラの新制作は初めて。成功すれば継続したいという。
指揮は金正奉、演奏は大阪交響楽団(摂津のみピアノ伴奏で上演)。前売り2千円、高校生以下千円。3歳未満は入場不可。(小原篤)