6日未明に起きた北海道胆振(いぶり)地方を震源とする地震から20日で2週間。この日、彼岸の入りを迎え、震度6強の揺れに襲われた安平(あびら)町の実成寺(じっしょうじ)は、本堂が被災し、プレハブで造った急ごしらえの「納骨堂」で参列者を迎えた。
午前9時ごろ、同町に住む会社員の原美恵子さん(52)は、住職の桜井唯紹さん(49)に「地震大丈夫だった?」と声をかけた後、プレハブの中に並べられている両親の骨箱の前で静かに手を合わせた。
北海道地震 支援情報
【災害INFO】地震が起きたときに役立つ情報など
北海道で震度7、道内の被害状況は
地震が起きた6日は仕事で北海道夕張市にいた。7日朝、自宅に帰るとリビングのシャンデリアは落ち、ガラスが散乱していた。「普段はリビングのソファベッドで寝ていた。両親が守ってくれたんだと思い、感謝の念を伝えました」
実成寺も本堂の柱がゆがんだり、ガラスが割れたりして参列者が中に入れない状態になった。桜井さんは50ほどの骨箱を、本堂から敷地内に設置したプレハブに移し、彼岸に備えた。余震で倒れる恐れもあるため、プレハブ内で線香やろうそくに火をつけることはできないが、「先祖との精神的なつながりも大事。形はともあれ、彼岸を迎えられてよかった」と話した。(川島大樹)