「戦え!スポーツ内閣」MC・武井壮さん(45)
上着を脱ぐと、おなじみの白のタンクトップとムキムキの腕が現れた。「体を強くするトレーニングを1時間、ビリヤードなど次に狙っているスポーツを1時間。番組でお会いする選手やスポーツのことを1時間調べるっていうのを、毎日やっています」。この日も大阪での取材を終え、東京に帰ってからメニューをこなすという。寝るのは「朝の4時か5時くらい」。なぜ、そんなに鍛え続けるのだろう?
落合博満に武豊、安藤美姫(みき)――。MCを務める「戦え!スポーツ内閣」(毎日放送)で、スポーツ界のレジェンドや現役選手らと共演してきた。「胸を張って彼らの前に立てるように」というのが鍛える理由の一つだ。「技術や知識や経験を詰め込んで横幅を広げ、一つのスポーツを究めた人の縦の高さを追い抜きたい」と話す。
小さい頃から体を動かすのが好きで、様々なスポーツに挑戦。野球や格闘技などを経て、大学時代には、10種目の陸上競技の合計点で競う「10種競技」で日本チャンピオンになった。
一方で当時、二つ年上の兄をガンで亡くした。「俳優を目指していた兄は、やっとテレビやドラマに出られるようになったばかり。それで、30歳になったら兄の分と僕の分の力を合わせ、スポーツと芸能を混ぜて活動していこうと決めていました」
そして生まれたのが、身体能力を生かした「百獣の王」というキャラクターだ。2012年に、動物と戦うイメージトレーニングをテレビで披露し、一躍話題になった。「今、2人分の人生を足して、さらに上回るくらいのたくさんの仕事をいただいています」
「戦え!スポーツ内閣」は26日で放送100回目。世界マスターズ陸上の4×100メートルリレーで金メダルを勝ち取る姿を特集する。「もし兄が番組をみていたら『このスポーツやってみようかな』と色々挑戦してくれるんじゃないかな。笑いながら楽しくみていてくれたらいいな、と思っています」(杢田光)