基地問題で一時、全国の注目を集めた沖縄県東村の高江地区。2年近くたったいま、話題になることはほとんどない。区長の仲嶺久美子さん(68)は当時、心労で眠れなくなり、4キロやせた時期もあった。いまは「少し楽になった」と言うが、表情は晴れない。 沖縄はいま 約120人が畑仕事などで暮らす。沖縄本島北部、亜熱帯の森にあり、集落を覆うように広がる米軍北部訓練場約7800ヘクタールの半分が、2016年に返還された。条件の一つが、高江のそばの基地内に、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を造ることだった。 騒音や事故を心配する住民らの反対で膠着(こうちゃく)状態だった工事が動き出したのは16年7月。政府が数百人の機動隊を投入し、仲嶺さんが「悪夢」と振り返る半年が始まった。 県内外から集まった反対派約200人が、工事車両を止めるため道路を封鎖するなど、抗議行動も過熱。機動隊員は反対派に「土人」と暴言を吐き、東京のテレビ局の番組「ニュース女子」が「テロリストみたい」と表現し、放送倫理違反を指摘された。衝突は全国ニュースになった。 反対しつつ、運動にはかかわら… |
語られぬ高江、頭上に米軍機 区長は心労で眠れなかった
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