安倍晋三首相は25日午前(日本時間26日未明)、ニューヨーク市内のホテルで韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と会談した。文氏は今月の南北首脳会談の際、日朝首脳会談の開催を求める首相のメッセージを金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に伝えた。正恩氏は日朝関係改善の意思は示したが、対話を急がない従来の姿勢を維持した模様だ。
韓国大統領府によれば、正恩氏は文氏に、「適切な時期に日本と対話をして、関係改善を模索する用意がある」と述べたが、日朝首脳会談の具体的な時期は示さなかった。北朝鮮は、日本人拉致問題の解決を繰り返し求める日本の姿勢に不快感を持ち、対話を急がない姿勢を示してきた。
南北関係筋によれば、首相のメッセージは「日朝首脳が直接会い、核・ミサイル開発問題と拉致問題を解決すべきだ」という内容で、北朝鮮が最も重視している「過去の清算」には触れていなかったという。
首相は25日の文氏との会談で、「北朝鮮との相互不信の殻を破り、金正恩氏と直接向き合う用意がある」と日朝首脳会談への意欲を改めて示し、文氏も協力を約束した。日本側の説明によると、首相は、6月の米朝首脳会談で合意した朝鮮半島の非核化に向けた措置の履行が重要だと指摘。国連安保理による制裁の維持が必要だとも主張した。
日韓関係では、首相は日本統治…