トランプ米大統領が25日、米ニューヨークの国連本部で行った南米コロンビアのドゥケ大統領との会談冒頭、コロンビアとは直接関係のないテーマを10分以上にわたってしゃべり続ける場面があった。北朝鮮問題における自らの「成果」を誇り、自身が連邦最高裁判事に指名したカバノー氏の性的暴行疑惑の徹底調査を求める野党・民主党にも言及し、「詐欺をやっている」などと批判した。
トランプ氏は、最初は米国とコロンビアの麻薬密輸対策などについて話していたが、記者団の質問で徐々に脱線し、「北朝鮮とはとてもうまくいっている。メディアが知っているよりもはるかにね。(知らないからと言って)メディアを責めないけどさ」と話し出した。
さらに、「核実験もミサイルもロケットもないし、人質も帰ってきた。(朝鮮戦争の行方不明兵士の)遺骨も戻ってきた」と自画自賛を展開。「ペンス副大統領はハワイ(での遺骨返還式典)に行ったけど、最も素晴らしい式典の一つだった」などと続けた。
トランプ氏は途中、ドゥケ氏を横に座らせたまま待たせていることがさすがに気になったのか、「構わない?」と尋ね、ドゥケ氏が「どうぞ、どうぞ」と返すと、再び記者の質問を受けつけてしゃべり出した。
最後は、カバノー氏の性的暴行疑惑の徹底調査を求めている民主党の対応を批判し、「民主党は詐欺をやっている。さ・ぎ!」などとこきおろした。
トランプ氏の「独演会」の間、そばに控えていたペンス氏ら政権幹部らは黙って聞き続け、ポンペオ国務長官は愛想笑いを浮かべていた。(ニューヨーク=園田耕司)