中央省庁による障害者雇用数の水増し問題で、野党各党の合同ヒアリングが28日開かれた。法定雇用率の達成へ障害者の雇用を急ぐ姿勢を見せている政府に対し、障害者団体側から「数字合わせはやめるべきだ」との批判が相次いだ。
政府は33行政機関で3千人超分の水増しが発覚し、昨年6月1日時点の平均雇用率が1・19%に半減したことを受け、来年中までに現在の法定雇用率2・5%の達成を目指すと表明。障害者を優先的に採用する常勤の「障害者枠」の新設などの検討を進めている。
日本障害者協議会の藤井克徳代表はヒアリングで、「1年間で数字を作ろうというのは乱暴だ」とし、受け入れ準備に時間をかける必要性を訴えた。従業員の約3分の2が障害者という会社で取締役を務める上田庸司氏は、民間企業も法定雇用率の達成に苦労する状況を踏まえ、「民間からの人材の引き抜きのようなことが起これば水増し以上に批判される」と指摘した。