28日の欧州金融市場では、イタリア政府が発表した来年予算の基本方針で財政が悪化する見通しになったことから、イタリア国債の価格が急落。国債を持つ銀行株を中心に売られ、欧州の株式市場はほぼ全面安の展開になった。
イタリアの主要株価指数は前日の終値から3・7%下げて取引を終えた。イタリアの銀行では最大手のウニクレディトが6・7%、大手のインテーザ・サンパオロが8・4%それぞれ下落。ドイツやスペインでも銀行株を中心に売られ、両国の主要株価指数はともに1・5%ほど下げた。
イタリア政府は27日に発表した予算の基本方針で、最低所得保障などの政策を盛り込んだ。この結果、国内総生産(GDP)に対する財政赤字が2019年からの3年間で2・4%となる見通しになった。イタリアは、GDPに対する政府債務の割合が約130%とユーロ圏ではギリシャに次いで悪く、財政のさらなる悪化が心配されている。(ロンドン=寺西和男)