10月1日から、たばこ税が引き上げられる。大半が1箱あたり30円以上値上げされ、主要銘柄で500円を超えるものも。ワンコインでたばこが買えなくなる時代を前に、買いだめをしたり、禁煙を決意したり――。愛煙家の葛藤が続く。
「10月1日から『たばこ』値上がり まとめ買いはぜひ当店で!」
大阪・梅田の阪急東通商店街にあるたばこ専門店「さくらんぼ」の店内には、今月21日からそんな案内が貼られている。
店主の坪居健さん(69)によると、普段から1日に20カートンほどが売れているが、値上げ前の駆け込み需要でカートン単位での販売数は3倍以上に。多くは1~2カートン程度の注文だが、10カートンをまとめて買う客もいるという。
坪居さん自身が愛煙家。「1箱千円を超えるまでは吸い続ける」と話すが、値上げのたびに買いだめ客が減るのを実感している。「1箱あたりの単価が上がり、まとめ買いの負担も重くなっている。このまま値段が上がり続けたら商売が続けられない」とぼやく。
値上げを機に、紫煙を断つことを決めた人もいる。
大阪市天王寺区の「上本町わたなべクリニック」の禁煙外来を25日に訪れた大阪府池田市の会社員浅倉誠さん(44)は、二十歳のころからの愛煙家だ。
1日に30本以上を吸うが、日頃、買っているナチュラル・アメリカン・スピリットは、40円値上げされて520円になる。「パンは見切り品を買って節約しているのに、たばこには500円以上を払うのか」。たばこ休憩で頻繁に職場を抜ける負い目もあり、禁煙を決断した。
過去にも禁煙に挑戦したが、飲…